お手入れQ&A


アルミやフッ素加工の調理器具を使っていて、「こんなとき、どうすればいいのかな?」と感じたことはありませんか?

お客様から寄せられる代表的な質問とその回答ををご紹介いたします。

Q1. 内面が黒くなってしまいました

A1. アルミ鍋(やかん)の内部が黒くなる現象を、黒変化現象と呼んでいます。
黒くなる原因は、アルミニウムと水とが反応を起こし、水酸化アルミを作って表面に付着することが主な原因です。この物質が、また水の中のミネラル分等と複雑な作用をしてアルミニウムの表面に固着し、黒く見えるのです(褐色に見える場合もあります)。このように、水や調理物に含まれる成分によるものですので、人体への影響を心配する必要はありません。
【図】アルミ基材に対して、水酸化アルミが付着し、更にカルシウム等が固着

[ 黒変化のメカニズム ]
生地製品(アルマイトやフッ素樹脂加工をしていない打ち出し鍋など)で起こりやすく、卵をゆでたりすると殻からカルシウムが溶け出し、黒変化しやすい条件になるので1回の使用でも内部が黒くなることがあります。こんにゃくや生中華麺をゆでると黒変化しやすいことも知られています。 また、アルマイト製品でも、次のような場合に黒変化が起こる場合があります。

◇水をつぎ足しながら、ストーブなどで長時間使用した
水質がアルカリ性になり、アルマイトが徐々に損傷を受けたことによるものです。安全性のためにも、絶対にストーブの上では使用しないで下さい。

◇酢などの酸性が強いもの、こんにゃくなどアルカリ性の強い商品を調理した
調理後はきれいに洗って、十分に水を切って下さい。

◇内側をスチールタワシでこすり洗いした
アルマイトが損傷しないよう、スポンジを使用して下さい。

黒変化の直し方は、輪切りにしたレモンの切り口で黒変部をたんねんにこする方法と、水とリンゴの皮を入れて煮沸する方法などがあります。ただし、これらの方法では完全に取れない場合もあります。 人体への影響は心配ないので、そのままお使いいただけますが、どうしてもきれいにしたい場合は、クレンザーやスチールタワシで落とすことができますが、この方法を使った場合、腐食を起こしやすくなります。 黒変化を落とした後は再び黒変化しやすいので、米のとぎ汁を入れて 10〜15分煮沸します。 そうすると、表面に薄い皮膜ができて黒変化が起こりにくくなります。

Q2. 鍋(ケットル)の底にポツポツと白い粉のようなものが吹き出てきました

A2. 白いポツポツの正体は、腐食を起こしてできた水酸化アルミです。

白いポツポツは、水道水中の塩素やミネラル成分、あるいはこれらがアルミと反応して腐食を起こしてできた水酸化アルミです。この水酸化アルミは胃薬などにも使われているもので、心配する必要はありません。
腐食が進行すると、最後は穴があきます。腐食も黒変化と同様に、生地製品で起こりやすいのですが、アルマイト加工製品でもアルマイトが損傷すると腐食が発生します。腐食の主な原因として、次のようなものがあります。

◇水質に起因するケース
水道水中に含まれている塩素、塩化物、珪素、金属イオン(鉄、銅、亜鉛イオン等)、あるいはアルカリイオン整水器でつくったアルカリ水により、アルマイトが浸食された。

◇調理物に起因するケース
調理物に含まれている強い酸性やアルカリ性成分により、アルマイトが浸食された。

◇製品の損傷等に起因するケース
落としたり、ぶつけたり、キズが付けられたことにより、アルマイトが割れたり摩耗した。

腐食を防ぐには、ご使用後は中性洗剤とスポンジで良く洗い、十分に水切りをしておくことが大切です。水のくみ置きも避けて下さい。

Q3. 鍋がこげついてしまいました

A3. こげつきの取り方は以下の通りです。

料理は一度こげつかせてしまうと大変取りにくいので、こげつかせないように注意していただくことが大切です。こげついてしまった場合は、できるだけ早く処置をしてください。ただし、ひどいこげつきの場合、きれいにとれない場合があります。

◇ふやかして取る方法
1. 鍋に残った料理を、鍋の表面を傷つけない木ベラなどを使ってざっと取り除きます。
2. 鍋にお湯を入れて弱火でグツグツと煮ます。
3. こげがふやけて浮いてきたら、木ベラなどでゆっくり取り除きます。
4. あとは柔らかいスポンジで軽く洗ってください。
5. しつこいこげが残っているようでしたら、もう一度1から繰り返してください。

◇天日干しする方法
1. 鍋を太陽に当てて乾燥させます(底面のこげは逆さまにした方が良く取れます)。
2. 2〜3日太陽に当てておくと、こげがポロポロはがれてきますので、きれいに取り除いてください。

ナイフなどでこすったり、クレンザーやスチールタワシを使用することは避けてください。フッ素樹脂加工製品がこびりつく場合は、フッ素樹脂の劣化や摩耗、油膜のこびりつきなどが考えられます。

Q4. わかしたお湯をポットに注ぐとき飛び散ってしまいます

A4. 火を止めてから15秒たってから注ぎましょう。

湯わかし直後にお湯を注ぐと、熱湯が飛び散る場合があり、やけどの危険があります。
また、ストーブ上で長時間わかし続けると、ちょっとした衝撃で、注ぎ口から熱湯が勢いよく吹き出す現象(突沸<とっぷつ>といいます)が起こることがあります。防ぎきれない現象ですので、ストーブ上での使用は絶対におやめください。安全にお使いいただくために、以下のやかんについての注意事項を守ってください。

◇水量はめやすとして水位線以上入れないでください
水位以上入れますと、熱湯の吹き出しによりやけどの危険や、ガスの火を消す場合があります。特に、麦茶をわかす場合は、水位線以下でも吹き出すことがありますので、水量や火力を調整して下さい。 なお、水位線のない場合は、一般的には満水容量の7分目が目安となります。

◇湯沸かし直後にお湯を注がないでください
火を止めて15秒ほどたってから注ぐようにしてください。

Q5. フッ素樹脂加工のフライパン(鍋)の底に、ふくれやはがれが出ててきました。また、はがれたフッ素樹脂の安全性は?

A5. ふくれやはがれの原因は、以下の2つが考えられます。

◇料理を入れたままにしておいた
フッ素樹脂加工製品の表面には、目に見えない微細な孔(ピンホール)があります。このため料理を入れたままにしておきますと、孔から油や調味料が浸透して中で加熱膨張し、塗膜を押し上げ、ふくれを生じさせます。このふくれが調理中に破れて、斑点状にはがれてくるのです。これを防ぐには、鍋やフライパンの中に料理を入れたままにしないこと、使用後は十分に洗っていただくことが大切です。

◇角の鋭い金属ヘラを使用した
フッ素樹脂加工製品に、角の鋭い金属ヘラを使用するとはがれの原因になります。

フッ素樹脂の安全性については、いろいろな動物実験が行われ、人体に影響のないことが確認されています。万一フッ素樹脂を食べてしまっても、吸収されずにそのまま体外に排泄されます。

◇大阪医科大学教室(吉田先生)=急性経口毒性試験(1965-12-20)
四フッ化エチレン樹脂加工のフライパンから塗膜を採取し、これを10匹のマウスに1週間にわたり、体重1kgあたり4gを与えたのち解剖したところ、各組織には異状がなく、体重の変化も見られなかった(なお、フライパン1個に加工される四フッ化エチレン樹脂の量は、通常3gくらい)。

◇FDA(米国連邦食品医薬品局)
同局の科学者は、四フッ化エチレン樹脂加工の調理器具類について、一般家庭での使用は安全であると発表しています。 [ 日本弗素樹脂工業界「ふっ素樹脂加工調理器具の使用について」より ]

Q6. シールの上手なはがし方を教えてください

A6. 本体シールはご使用前にはがして下さい。

本体にシールが貼ってある場合には、シールをはがしてからご使用ください。いったん火にかけると、きれいにはがすことが難しくなります。はがれにくい場合は、しばらくお湯に浸してください。それでも取れない場合、市販のシールはがし液や、ベンジン、除光液などを使用してください。

また、これらの薬品を使った場合は、中性洗剤でよく洗い流してください。

Q7. 食洗機に入れて洗ったら変色してしまいました、どうしてですか?

A7. 変色の原因は、食洗機用洗剤の強いアルカリ性によるものです。

食洗機で使われる専用洗剤は汚れを確実に落とすため、非常に強いアルカリ性を示します。
食洗機の取扱説明書及び洗剤にも、「アルミの食器、調理器具などは、洗浄しないで下さい。」と記載されています。漂白剤が混入されている場合もありますので、さらに腐食を進める原因となります。高温のお湯を使っての洗浄となりますので、これもアルカリの影響が増大する要因です。アルミニウム素材は酸やアルカリに対する耐性が弱く腐食の原因になります。食洗機は使用せず、食器用中性洗剤で手洗いをお願いします。

Q8. こげない鉄鍋・フライパンにするための処理方法は?

A3. 鉄鍋、鉄フライパンのご使用方法

◇新品時の前処理
表面のさび止め塗料を落とす為にカラ焼きをし、油慣らしをして下さい。
換気扇等をつけて換気を良くしてから、鍋を火にかけます(強火)。
しばらくすると表面から黒っぽい煙が出てきますが次第に消えます。(サビ止め塗料が落ちると煙が出なくなり表面の艶も無くなります。)
必要に応じて鍋の位置を変えサビ止め塗料を落として下さい。

(製品によっては、本体表面が黒っぽく変色する場合がありますが、鉄が酸化して出来た「酸化皮膜」ですので問題はありません。)
程度によっては水でよく洗って鍋を乾かす程度、カラ焼きし、次に油(古いものでよい)を入れて弱火にして時間をかけて馴染ませます。

更に、ご使用前にもう一度しっかり油を馴染ませてからお料理して下さい。野菜屑等を炒めるのもとても良いと思います。炒めた後の野菜屑は捨てて下さい。

◇鉄鍋・フライパンの普段のお手入れについて

・使用後は汚れたまま放置せず、ぬるま湯で、スポンジか竹ササラ・たわしを使ってきれに洗い、よく乾かしてから食用油を塗って保管して下さい。
・なお、酸化皮膜が傷みますので洗剤やクレンザー、金属たわしは使わないで下さい。
・万一焦げ付きが出来た場合は、お湯を入れてしばらく煮立たせ、こげが表面から落ちやすくなったら、竹ササラやたわしできれいに洗い落として下さい。
・使用後はすみやかに調理物を取り出して下さい。
・鍋で調理物を保存しないで下さい。また、酸や塩分がついたまま保管されますとサビ等の原因となります。